Secure,Crack,Programme.

何かよくわからないもの置き場。競プロとかCTFとかそこらへん?

エアプでもわかる? League of LegendsのややウケPro Play 5+1選

-----

この記事は「ゲームする部 Advent Calendar」参加記事です。

-----

 

こんにちは。RESIDENTデフォ曲完全版は?iLiss.です。

 

全くの嘘になってしまった

 

今回は、「ゲームする部 Advent  Calendar」という事で、ゲームに関する記事を書こう!となったんですが...

 

何書くの?のまま数日経過し、本日公開前日...

案として「シノアリスとトワツガイに学ぶ 何故SQENはソシャゲを作るのが下手なのか」「A1が倒せる! Psycho Sheep Riddim(L) を攻略してライバルに差をつけろ」など様々考えましたが*1、「何かややウケを書きたいな~」と考えて、思いつきました。ということで、今回は、

 

「エアプでもわかる! League of Legends ややウケPro Play n選」

と題しまして、実際にプロであった普通とはまた違った意味で面白いプロ選手のプレーを取り上げていきたいと思います。

 

 

 

そもそも : League of Legends(LoL)って何?

リーグ・オブ・レジェンドは、チームで戦うストラテジーゲーム。5体の強力な“チャンピオン”で構成された2つのチームが、互いに相手の本拠地を目指して激突します。140体以上の多彩なチャンピオンの中から自分の使う1体を選んで、スキルを披露、キルを獲得、そしてタワーを破壊して勝利を掴みましょう。 (公式サイトより)

 

要約すると : 

  • 5対5に分かれて戦います。
  • マップには道が3本とそれを繋ぐ森と川があって、役割を持った5人がそれぞれの道と森に分かれて戦います。
  • レーンを進む小さな味方兵士「ミニオン」とともに敵チームの拠点を前から順番に破壊していき、最終的に敵の本陣奥深くにある「ネクサス」と呼ばれる建造物を破壊すれば勝利です。
  • 敵ユニットやモンスターが近くで倒れると経験値を獲得できます。経験値を貯めるとレベルアップします。レベルアップではスキルを強化するポイントや、ステータス上昇が獲得できます。
  • ミニオンや森の中のモンスター、敵キャラなどを倒したり、敵の建造物を破壊したりするとゴールドを獲得でき、それを装備と交換することができます。一般に、ゴールドをより多く稼いだチームが有利です。
  • マップの上半分に「ヘラルド」「バロン(20分以降)」、下側に「ドラゴン」と呼ばれる強力なモンスターが出現します。倒すとバフが獲得できますが、大雑把に言うと、上半分(ヘラルド・バロン)は主に敵建造物の破壊に、下半分(ドラゴン)は主にステータスの上昇や戦闘に役立ちます

厳密性は失いますが、とりあえず見るだけならこれくらい分かっていればよいです。

 

今回は、そんなLeague of Legendsの中でも、トップクラスの猛者が5人チームを組んで集まるプロの試合のプレーを厳選してお届けいたします。

ところで、タイトルの通り、今回お届けするプレーは、圧倒的なフィジカルで敵を破壊するスーパープレーでも、頭脳で敵を打ち負かす高い連携プレーでもありません。そういうのが好きな方はモンタージュ動画とか探すといいです。

 

今回ご紹介するのは、

  • これは本当にプロなのか?」と思うようなミスプレー
  • 本当に連携取れてるの?」と思うようなミスコミュニケーション
  • どうしてそうなるの!?」と思うような仰天プレー

です。

 

まず、ミスプレーは誰にでもあることです。今回取り上げるのは些細なミスではなく、「信じられないほどやらかしている」ようなものとなります。

頭をカラッポ... というとちょっと理解できない場面もあるかもしれませんが、是非楽しんでいってください。

 

Section 1: 真剣勝負の先にある、ネクサスの駆け引き

では、早速まいりましょう。色々選んでいるうちに、序盤の紹介試合はタイトル詐欺になってしまいました。つまり、「真剣勝負の熱い試合の最後に待つ衝撃の展開」を集めていたら、何もややウケではない普通に面白い試合が集まってしまいました馬鹿?

とりあえず集めてしまったので公開しますが、ややウケを期待された方には申し訳ないことをします。ごめんね。

1. LEC Spring 2019 Week9 Day1 Match3 Fnatic vs G2 「ローラーコースターの終着点!運命をかけたベースレース!」

それでは最初のゲームに行きましょう。

みなさん、このゲームの勝利条件は何だったか、覚えていますか?

 

敵の「ネクサス」を破壊することです。

 

敵の「ネクサス」を破壊することです。(重要)

 

これね

逆に、敵のネクサスを破壊すればいくら装備(ゴールド)で負けていようが、どれだけ味方のネクサスのHPが減っていようが勝利です。

その上で、こちらの試合をご覧ください。単純に試合としても揺れ揺れで面白いです。

試合はFnaticがジャングルルートの有利、ボットダイブのセットアップから一方的に有利を握る展開。しかしG2もFnaticの一瞬の隙を突いて不利を取り返していきます。

しかしFnaticの有利は圧倒的。3つのインヒビター*2、2本のネクサスタワー*3が折れる難しい展開に。それでも42分の5vs5に勝利し、ミッドのインヒビター、エルダードラゴン*4を獲得するなど巻き返しを見せます。

 

試合は47分。Fnaticがリスポーンした4回目のバロンに向かい、大急ぎで獲得を目指します。それを受けたG2 Esportsの選択は「バックドア」。敵の行動を無視して敵ネクサスの獲得を狙いにいく戦術です。Fnaticはバロンを獲得するも、5人全員がバロンに向かい、またG2のメンバーによる本拠地帰還の妨害もあって難しい選択を迫られます。ここでFnaticのメンバーRekklesとHylissangは、ネクサスタワーを獲得し切っていることを活かし、なんと同じようにG2側ネクサスの獲得を狙うバックドアを選択。両軍のネクサス狙い、早く破壊した片方のみが勝者。48分にも及ぶロングゲームの結末は...?

 

お急ぎの方は47分くらい (動画 3:46:02)からどうぞ。

 

この動画はヨーロッパ地域LECの試合ですが、LECは「バックドアといえばLEC」と言われるほどこの戦術が大好きな地域です。

 

2. 2022 World Championships Quarterfinals Match4 DRX vs. EDG Game2 「1秒の後先、決死のバックドアの衝撃の結末は?」

次。こちらの試合をどうぞ。1つ目の動画が英語、2つ目の動画が日本語です。

試合自体は世界大会の準々決勝、3本先取の2戦目、負けたら敗退と非常に重要なゲームで、双方大真面目でハイレベルな試合です。忙しい方は試合時間38:40(英語版 / 日本語版)からどうぞ。

解説はネタバレを含みますから、注意してください。

 

 

---- 以下ネタバレ注意 ----

 

 

 

さて、注釈を読むような真面目な方は、敵ネクサスを攻撃する条件について覚えていらっしゃると思います。

3つあるインヒビターのうち、最低1つの破壊」「ネクサス手前の2本のタワーの破壊」の2つです。

青丸がネクサスタワー(2本)、緑丸がインヒビター(3個)

このうち、タワーは復活しません。ただし、インヒビターは5分で復活します。

そして、インヒビターの復活によって「3つあるインヒビターのうち、最低1つの破壊」の条件が崩れると、ネクサスへ攻撃することができなくなります

たったあと1秒、119HP。その1秒で零れ落ちていったDRXの勝利。国内外に大きな反響があった試合でした。

 

Section 2 : プロでもやるんです。試合を台無しにする大ポカ集

次にまいりましょう。

プロプレイヤーといえど人間です。誰だってミスはあります。しかし、ここで紹介するミスは、初心者でなければ殆どやらないような、かつゲームの勝敗に直結する大失態です。

3. LPL Summer 2021 Week8 Day1 Match2 V5 vs. SN Game1 「何故このゲームにはジャングラーが必要なのか?」

さて、最初はこの試合からまいりましょう。中国リーグLPLは2021夏シーズン、V5とSNの試合です。

さて、この試合はちょっと解説が必要でしょう。(最初からずっとだろ)

以前お話しした通り、このゲームは3つの道とそれを繋ぐ森に5人が分かれて戦います。理由の1つとして大きいのは、このゲームの特徴でもあるリソースの有限性です。

敵味方問わず、ミニオン3つの道それぞれに一定時間ごとに一定数づつ、また森の中のモンスターは一定の間隔で復活します。これらは経験値ゴールドを獲得できる非常に重要なものです。

ところが、森の中のモンスターは特殊です。ミニオンに比べて得られる経験値・ゴールドが少なく、また敵味方いずれからも攻撃できるため、経験値・ゴールドを横取りされるリスクがあります(特に森のモンスターについて、経験値とゴールドは敵を倒した(最後の一撃を入れた)キャラクターの総取りなので、これは非常に重要です)。

 

これらの問題をある程度解決するために、「スマイト」と「ジャングルアイテム」と呼ばれるシステムがあります。

まずスマイトについて。プレイヤーは「サモナースペル」と呼ばれる(キャラクターに依存しない)特殊スキルを一人2つ持つことができます。その中の1つ「スマイト」は、モンスターに(一般のスキルに比べて)大きなダメージを与えることができ、敵にモンスターを取られないようにしたり、序盤の比較的強力な森のモンスターを倒しやすくするスグレモノです。

さらに終盤になると敵キャラにダメージや妨害効果を与えられるようになったり、ドラゴンやバロンなどの重要なモンスター*5を獲得するのに重要になってきます。

次にジャングルアイテム。ちょっと説明が難しいアイテムです。

「森の中のモンスターを狩って成長する役割のプレイヤーが、ミニオンを狩って成長するプレイヤーに対して(特に経験値の面で)遅れを取らないように補助する」目的のアイテムで、スマイトを持っていると購入できるようになります(重要)。実態はもうちょっと複雑ですが、大体こう思ってもらえているとよいです。

 

今回発生したのは、V5側の森の中に入っていくプレイヤー(ジャングラーと呼びます) Pzxが、スマイトを持ち忘れたという事態です。すると何が起こるでしょうか?

 

  • プレイヤー一人が敵に比べて十分な経験値とゴールドを獲得できなくなり、実質的に試合が4対5のような状態になります。
  • ほぼ間違いなく重要なモンスター(ドラゴン/バロン)の取り合いに勝てなくなります
  • 味方のジャングラーが敵のジャングラーに勝てなくなり、森の中のマップコントロールのほぼ全てを失います。

 

どれも致命的です。LoLというゲームはせーので戦った時、人数差という要素はそれだけで勝敗が大きく傾くような要素です。基本的に人数が多い方が勝ち、大抵覆りません。また森の中のコントロールを失った瞬間に、敵がどこから出てくるか分からなくなります。このゲーム、後手に回ると圧倒的に不利なんです。

というわけで、このゲームは観るまでもなくSNの勝利。ですがその過程がなかなかややウケなので見てみてください。最後に実況解説の方のありがたい言葉をどうぞ。

 

Oh my god its 100% mistake, BUT, as per the rules, ladies and gentlemen, you wondering, "Oh, you made a mistake, why aren't you resetting?" You, as the player, are in charge of your runes, and masteries, AND YOUR SUMMONER SPELLs! If you don't change it in time, that's on you! So, that is... that is just...

 

(和訳)

なんてこった、これは間違いなくミスだ、でもね皆さん、「ああ、間違えちゃったのか!どうしてリセット(を要求)しないの?」って思っても、ルールに書いてある通り、選手はプレイヤーとして、自らのルーン*6、マスタリー*7、そしてサモナースペル(の選択)に対して責任があるんだ。もし時間通りに変えられなかったら?それは君の責任なん(だから、やり直しはできないん)だ!だからこれは、えーっと、これは...

 

ちなみに、このやらかしたPzx選手、この後1ヶ月の減給処分に。それだけ大きいやらかしだってことです。

 

Section 3 : コミュニケーションは取れてるはずなのに... やってしまった連携エラー

プロの試合は、試合をともにする5人の間でボイスチャットが繋がっていて、高い連携が取れる環境が整っています。整っているはずなのに... 

今回紹介するのはそんなプレー。

4. LJL 2020 Spring Week6 Game4 RJ vs CGA 「どうしてこうなった?形勢逆転、ゲームを変えるアルティメット」

Let's Go! せっかくなので日本国内シーンから1本お届けしましょう。

忙しい方は44:31からどうぞ。

 

 

 

 

 

 

---- 以下ネタバレ注意 ----

 

 

 

 

 

問題のアルティメットはジャーヴァンIVの「決戦場」。指定した敵の周りに壁を作って閉じ込めるスキルです。

本来は敵の動きを封じるアルティメットですが、このスキルでなんと狙った敵を集中砲火していた味方3人を閉じ込めてしまいました。悪いことにこの3人全員が近接攻撃。フラッシュ*8で脱出した敵を含めた遠距離攻撃キャラ2体に一方的にダメージを与えられ10000ゴールド差という圧倒的な装備差*9を活かすことができませんでした。

こういう連携エラーは避けられるはずなのに...

 

では次に行きましょう。次はこれの比じゃないくらいの大きな連携エラーです。

 

5. World Championships 2020 Group Stage Day7 Game3 TSM vs GEN 「0-6 TSMの極みつけ!伝説の9-man Sleep」 

ところでみなさん、敵5人全員の動きを止めれば、絶対に勝てると思いませんか?

思いますよね?(圧力)

では、こちらの試合をどうぞ。

忙しい方は試合時間32分 (英語版 / 日本語版)からどうぞ。

LoL Esportsシーンを観戦していると大体知っているような伝説のプレーで、この年1勝もできず世界大会から姿を消した北アメリカ地域*10代表第1シードTSMを象徴するようなワンプレー、試合でした。

ちなみにその手前でも1回散々なやらかしをしています。試合時間24:40(英語版 / 日本語版)。

正直に言うと全編観ることをオススメします。実況解説聞いているだけでも楽しい。

 

おまけ : 勢いだけで見てほしいおまけ

6.  Mid-Season Invitational 2019 Group Stage Day2 Game6 IG vs SKT 「史上最速、高速決着!最高峰の戦いは完全なワンサイドゲームに!」

 

おまけです。どうしても紹介したかったので紹介します。この2チーム、世界最高峰の2チームのはずなんですけれども...

適当に見てください。解説は聞いてくれればします。

 

おわりに

League of Legendsのプロシーンは、本当は非常に面白く、高い技術のぶつかり合いを楽しめるものです。本当はもっと楽しい試合、もっと知識がなくても楽しめる試合を、とは思っていましたが、「ややウケ」度はやっぱり解説が必要だな、と書きながら涙を流しています。

結局エアプでは分かりづらいタイトル詐欺状態になってしまいましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

そのうち本当に面白い試合や、本当に馬鹿みたいなウケ試合を探して記事を更新したいですね。

それではまた。

 

 

*1:これらの記事の公開予定は未定です

*2:敵のものを破壊することで、復活するまでの5分間味方ミニオンを強化できる建造物。各レーンに1つあり、そのレーンのタワーを全て破壊することで攻撃可能になる。また、いずれか1つを破壊することでネクサスとその防衛タワーを攻撃できるようになる。3つすべて破壊されたチームの勝率は3%といわれている(が、実際は多分もっと低い)。

*3:ネクサスを攻撃するのに破壊する必要のある最後の砦。ネクサスを攻撃するためには、最低1つのインヒビターに加えて、この2つのタワーを破壊する必要がある。

*4:ドラゴンの中でも最強格のバフを与えるドラゴン。試合終盤に出現し、ゲームをひっくり返せるほどの強力なバフを獲得できる。

*5:これらのモンスターが与える強力なバフも、最後の一撃を与えたキャラが所属するチームの総取りです

*6:ゲームの最初にキャラに装備させる能力のこと

*7:LoLにあった機能。もうなくなったので気にしないでください

*8:短距離を瞬間移動するサモナースペル

*9:一般に、1万ゴールド差がつくと逆転が不可能だといわれます

*10:NAといった時はこの地域のことで、"Near Airport"というmemeが生まれたのもこの年でした