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「メイン機種」って、何だ...?

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この記事は「B4UT Advent Calendar 2022」参加記事です。

ハッシュタグ : #Advent4UT2022

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こんにちは。B4UTで2020年渉内/2021副代表をしていました。iLiss.と申します。メイン機種はbeatmaniaIIDXです。近年はAdvent Calendar 1日目担当などのお仕事で生活しています*1

 

さて、早速ですが、今日は、「メイン機種」について、お話しします*2

 

突然どうした、という感じですが、beatmaniaIIDXの話ではなく、我々音ゲーサークル部員(や音ゲープレイヤー)が普段何気なく使う「メイン機種」という言葉のお話です。

 

 

きっかけ : 新入生に伝わらないあの単語

それは2022新歓期のお話。B4UTでは最近Discordに新歓専用サーバーを立てて企画を行うことが多くなってきたこの頃。新入生用自己紹介チャンネルを眺めていると目に飛び込んできたのは、

「メイン機種はiPadです」

という、音ゲーサークル内で「メイン機種」という単語に慣れ親しんできた人間にはとても衝撃的なひとことでした。

「え、その言葉ってもう伝わらないの!?」という衝撃と、「ああ、なるほど、確かに」という納得の感情が同時に来たわけでございますが、そうなると「あれ?『メイン機種』って、よく考えると、何なんだ...?」という感情が湧き出てくるわけでございました。

 

音ゲー文脈における「メイン機種」って何だ?

さて、この衝撃を共有できた方、そうでない方、様々いらっしゃると思われますが、まずはこの「メイン機種」という言葉について今一度確認しましょう。この言葉を使用するプレイヤー間でニュアンスの部分が異なることも多いかと思われますが、次のような定義を与えれば、間違った議論を行うことはないでしょう。

特に、音楽ゲームの文脈において、「メイン機種」とは、そのプレイヤーが最も多くの(時間的・金銭的)リソースを割いてプレーしている(と考えている)(音楽ゲーム)タイトル(群)のことを指す。

 

ただ、この言葉は少々奇妙です。意味と見た目(すなわち字義)が一致していません。

つまり、こういうことです− この定義に基づくならば、この言葉が指すのはゲームタイトル、すなわちソフトウェアです。「メイン機種はArcaea*3です」といった感じで用いるわけですが、「メイン機種」という言葉に立ち返ったとき、この言葉の特に後半、「機種」という言葉が指すものは「機械の種類」、すなわちハードウェアであるはずです。

 

では、今一度問題の発言に立ち返ってみましょう。私の感じた納得感についてご理解頂けたかと思われます。「メイン機種」という文字が指すであろうと推測されるものと、実際にその言葉が指すもののズレ、これが一つの小さな悲劇を産んだわけでございます。

 

さて、悲劇の謎が解けたところで、一つの疑問について考えましょう。つまり、何故この悲劇は今2022年になって起こったのか、ということです。言い換えれば、2021年まで、様々なプレーヤーが入部したB4UTにおいて、何故この問題は表面化しなかったのか、とも言うことができるでしょう。大きくまとめると、要因は2つ存在すると考えています。

 

「機種」 ≠ 「タイトル」

さて、「機種」と「タイトル」、すなわち「ソフトウェア」と「ハードウェア」はイコールではありません。当然ですね。しかし、「メイン機種」という単語がこのように使われているのであれば、これらは同一視されていたと考えるのが自然です。何故でしょうか?ヒントを得るために、ゲーセンで稼働している音楽ゲーム、いわゆる「アーケード音ゲー」に目を向けてみましょう。

CHUNITHMを想像してください。

CHUNITHM (新筐体)

大体こんなものですね。この筐体ではCHUNITHMをプレーすることができます。

では、この筐体ではCHUNITHM以外の音ゲーをプレーすることができるでしょうか?できませんね。

 

...できませんね?*4

 

原理的には可能なのでしょうが、CHUNITHM筐体でプレーできるのはCHUNITHMだけです。このように、ゲーセンで稼働しているほぼ全ての音楽ゲームにおいて、その「筐体」、すなわち「機種」と、プレーできる音ゲーの「タイトル」は、1対1で対応します。つまり、ハードウェアとソフトウェアを区別する必要がなかったのですね。

 

(特にスマホ方面における)新規層取り込みの成功

ところで、有名なスマホ音楽ゲームであるところのプロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミクのリリースは2020年9月30日でした。今では大覇権ゲームとして名を馳せているプロセカ、音ゲー新規層の受け口として間違いなく優秀です。こうして取り込まれた新規層がB4UTをはじめとした音ゲーコミュニティに流れ込んできたのがこれ以降、特に2021年以降になります。ここで具体的なソースが出せないのが辛いですが...

ここでのポイントはコロナ禍、そしてプロセカがスマホゲームであることです。コロナ禍でゲーセンには行けなくなり、先の文脈は最早共有されなくなりました。そして、スマホで他の音ゲーはプレーできますか?

 

できますね

 

そんなわけで、「メイン機種」という言葉に関する悲劇は起きてしまったと、当方としてはそう考えております。

 

「メイン機種」の出典は?語源は?調べてみました!

では、この記事の本題の部分へ入りましょう。この言葉はどこから湧いて来たのでしょうか。

結論から申し上げます。

調べてみましたが、よくわかりませんでした!いかがでしたか?

...とまあ、例のクソブログネタを置いたわけですが、本当にこの状態なのです。調べても良い定義を与えているページも、概念の提唱を行っているページも無い。この単語を用いた記事が数件出てくるのみで、その出で立ちについて迫ることもなかなか難しい。この記事の冒頭で一応の定義を与えてやる必要があったのは、それに相当する良いページが見つからなかったからなのです。「メイン」とだけ記している書き込みも多い*5中、何故「機種」なのか。それが全くもって不明なのです。

 

とある方から「パチンコの『メイン機種』から来たのでは?」という情報を頂いたので、少し触れてみましょう。

 

パチンコの「メイン機種」

実際にメイン機種と打ってGoogleすると出てくるのはパチンコの記事で、大雑把に説明すると「設置台数が多い存在する人気機種の総称」です。

 

?????

 

全く意味が違いますね。字面だけ同じ全く違う言葉として捉えるのが正解でしょう。字面だけ取ってきたのでしょうか。

 

結局「よくわかりませんでした!」になってしまいました。メイン機種、どこから、いつ来て、どこへ行くのか...  真実、募集中です。

 

おわりに

昔の人はそこまで考えてないと思います。

 

 

それでは。

*1:そんなことはない

*2:

*3:イギリス、ロンドンに本社を置くlowiroが手がける大人気音楽ゲーム

*4:WORLD'S ENDは... CHUNITHMであると主張しておきます。

*5:これであれば、主要であることのみを主張した適切な用法である。